【2026年4月最新版】トランプ関税についての最新情報

2026年2月、アメリカ連邦最高裁判所がドナルド・トランプ大統領による国際緊急経済権限法を根拠とした輸入品に対する関税の適用は無効であるとの判決を下しました。トランプ大統領にとっては大きな打撃となり、政権は一連の関税政策の修正を余儀なくされています。最高裁判決を受けたトランプ関税の現状はどうなっているのか、今後の展望とともに解説します。

連邦最高裁判所による判決

2026年2月20日アメリカ連邦最高裁判所は、トランプ大統領が関税適用の根拠としてきた国際緊急経済権限法(IEEPA:International Emergency Economic Powers Act)が大統領に関税を課す権限を与えていないと判断、これまでに大統領が課してきた相互関税や追加関税が無効であるとの判断を示しました。それとともに、これまでに徴収された国際緊急経済権限法に基づく関税を納付者へ還付するよう求めています。

国際緊急経済権限法に基づく関税は無効と判断されたのですが、すべての関税が国際緊急経済権限法を根拠にしているのではありません。例えば、通商法232条に基づく「国家安全保障関税」は未だに有効で、

鉄鋼・アルミニウム・銅(50%)

自動車・自動車部品 (25%)

半導体・半導体製造装置 (25%)

木材、家具、大型車両

などには今でも関税が課されています。また、通商法301条に基づき、中国製品などのグローバル関税以前から課せられている関税も未だに有効です。

アメリカ連邦最高裁判所の判事たち

新たな関税の発動も

基本的には、国際緊急経済権限法に基づく関税が無効であると判断されたものの、それ以外の関税は未だに有効なものが多い状態です。また、トランプ政権は、通商法122条を根拠にした世界のすべての国に対する10%の「世界関税」を2026年2月24日から発動しており、150日の期限となる2026年7月24日まで有効です。

トランプ政権は、通商法301条に基づくより強力で恒久的な関税の発動を検討しており、現在関係者が大規模な調査を行っています。通商法122条を根拠にした関税は150日の期限付きであるため、期限到来までに新関税が新たに発動される可能性が高いです。新関税が発動されるのか、される場合対象国や品目ごとの税率はどうなるのか、当面の間進展を注視する必要があります。

外国からの輸入品を搭載した貨物船

日本からの輸入品に対する関税は?

では、連邦最高裁判所による判決後の日本からの輸入品に対する関税はどうなっているのでしょうか。まず、無効と判断された国際緊急経済権限法に基づく関税に代わり、現時点で通商法122条に基づく暫定関税が適用されています。日本からの輸入品は一部の免税品目を除き、原則すべてが課税対象となり、税率10%が2026年7月24日の期限まで適用されます。

また、品目によってはより高い関税が課せられています。具体的には、「自動車・自動車部品」(15%)「鉄鋼・アルミ・銅」(50%)「金属派生品」(25%)「特許医薬品」(15%)などです。

なお、「民間航空機およびその部品」「ジェネリック医薬品」「アメリカで入手困難な天然資源」「特定の農産品」などの一部の品目は免税となっています。また、課税対象の「特許医薬品」についても、アメリカ政府とアメリカ国内生産移管計画に合意し、MFN価格協定を締結した企業の製品は2029年1月まで免税となります。さらに、日米貿易協定(USJTA)に基づく一部の工作機械、自転車部品、楽器、特定の農産品(柿、緑茶、醤油など)は関税撤廃または削減の対象となっています。

いずれにせよ、アメリカへの輸出品が関税適用品目であるのか、あるいは税率を知りたい場合は、品目ごとにHSコード単位で確認するほかなさそうです。

店頭にならぶ日本のお菓子

トランプ関税の今後の展開

気になるトランプ関税の今後ですが、どのような展開を見せそうでしょうか。国際緊急経済権限法に基づく関税は無効と判断されたため、これまでのようにいきなり全世界に対して恒久的に関税を課すことは困難です。しかし、トランプ政権が関税と言う強力なカードを完全に捨てることはなく、今後は国ごと品目ごとに細かく課税されてゆくものと予想されます。

トランプ政権による関税政策は、今後さらに外交ツールとしての性格を強めてゆくことは間違いないでしょう。例えば、現時点での中国からの輸入品に対しては、通商法301条に基づく20%程度の関税と品目に応じた追加関税が課されており、国としては他国よりも高めの設定となっています。アメリカは、サプライチェーンから中国を外す戦略を強化しつつあることは間違いなく、今後対中国の関税率はさらに高まる可能性があります。

一方、日本に対しては、他国よりも優遇されているといっていい低水準で推移しています。少なくともトランプ政権が続いている間は、比較的低めの関税での優遇が続けられそうです。

いずれにせよ、日本からアメリカへの輸出品に関しては、品目ごとに適用される関税と税率が違うので、事前の確認が重要になることは言うまでもありません。輸出に先立ち、お困りごとなどがありましたら、当社までお気軽にご相談下さい。

執筆者

前田 健二(まえだ・けんじ)

上席執行役員
シニアマーケティングコンサルタント(北米統括)

大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップ、経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。事業再生、新規事業立上げ、アメリカ市場開拓などを中心に指導を行っている。アメリカ在住通算七年で、現在も現地の最新情報を取得し、各種メディアなどで発信している。米国でベストセラーとなった名著『インバウンドマーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。

連絡先:k-maeda@j-seeds.jp

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