【2026年米中間選挙】アメリカ中間選挙の基本を学ぶ

今年2026年は、アメリカでいわゆる中間選挙が行われる年です。二年目を迎えた第二次トランプ政権に対する有権者の評価が下される大規模な国政選挙ですが、そもそも中間選挙とは一体どのような選挙なのでしょうか。選挙情勢についての現時点での見通しや現状などを含めて、アメリカ中間選挙の基本についてお伝えします。

中間選挙とは?

中間選挙(Midterm General Elections)とは、アメリカで四年おきに実施される大統領選挙の中間年(二年目)に実施される上院(US Senate)および下院(House of Representatives)議員選挙の総称です。アメリカ下院議員(任期二年)定員の435名と、上院議員(任期六年)定員100名の三分の一を選出するとともに、一部の州の州知事選挙なども行われる大がかりな選挙です。

中間選挙は選挙年の11月第一月曜日が属する週の火曜日に実施され、今年の中間選挙は2026年11月3日に行われます。大統領の四年任期の中間に行われるため、通常は現職大統領に対する評価が下される選挙として認識され、注目されています。

アメリカ議会

誰が投票できる?

中間選挙はアメリカの国政選挙ですので、18歳以上のアメリカ市民(U.S. Citizens)であれば投票できます。しかし、いわゆるグリーンカード保有者(Green card holders)などの合法永住者は投票できません。また、18歳以上のアメリカ市民であっても、重犯罪(Felony)で起訴された犯罪履歴を持つ人は投票できません。また、二重国籍の取得者でアメリカ国籍を保有している人も投票できます。

投票に際しては、ほとんどの州で事前に選挙登録を行うことが求められています。登録の方法は州によって違いますが、ほとんどの州でオンラインによる登録か郵送による登録、または役所などでの対面による登録が可能です。なお、カリフォルニア州の場合、選挙登録は投票日の15日前までに行うことが求められています。カリフォルニア州では、オンラインによる選挙登録は英語のほか、スペイン語、中国語、ヒンズー語、朝鮮語、タガログ語、タイ語、ベトナム語、そして日本語でも可能です。

また、多くの州で期日前投票が認められています。期日前投票は、多くの州において、郵便投票または投票所での対面で行われます。

投票する有権者

中間選挙が重要なワケ

ところで、中間選挙はなぜそれほど重要なのでしょうか。ひと言で言うと、中間選挙はアメリカの立法府の構成員の大半を選出するアメリカ市民による直接選挙だからです。日本の政治システムに例えると、アメリカの中間選挙とは、日本の衆議院議員全員と参議院議員の三分の一を一挙に選出する大規模な選挙のようなものです。

行政府の長である大統領が選挙人による間接選挙で選出される一方、立法府である議会の議員は投票者が直接選出します。それゆえアメリカの中間選挙は、ある意味アメリカ人にとって大統領選挙よりも「より自分ごと」であると認識されているのです。

そのため、中間選挙においては時の政権が直近の争点としている政治イシューが直接問われる傾向になります。前回の2022年の中間選挙ではバイデン政権が長らく政治イシューとしてきた中絶問題や、コロナ後に顕著になり始めた物価高・エネルギー高などが問われる形になりました。バイデン政権時代に続いた物価高を問題視した有権者が自ら意思表示して共和党候補者へ投票し、結果的に共和党が下院で過半数以上を確保したことはご周知の通りです。

支援者を前に演説するトランプ大統領

今回の中間選挙の見通しは?

ところで、今回の中間選挙の見通しはどうでしょうか。今回の中間選挙も前回同様に時の政権が掲げる政治イシューが争点になるのは間違いありません。具体的には、トランプ関税政策の是非、物価高への対応、不法移民対策、オバマケア補助金廃止を含むトランプ予算案の是非等々です。また、ベネズエラ国政介入などのトランプ大統領によるドンロー主義(Donmoe doctrine)の是非も争点になる可能性が高いでしょう。

非営利の政治団体The Road to the White Houseがほぼリアルタイムで更新している最新の選挙予想によると、現在共和党が100議席中53席を確保している上院においては、共和党が51席程度を確保し、過半数以上を維持すると予想しています。一方下院においては民主党が過半数の218席を上回る228席程度を確保し、マジョリティを奪還すると予想しています。他のメディアの多くも民主党による下院のマジョリティ奪還を予想しており、現在の大統領・上院・下院のすべてを共和党がコントロールしている状態にピリオドが打たれるとしています。

こうした見通しに対し、トランプ大統領は早くも危機感をあらわにしています。先日共和党の下院議員らを集めた集会でトランプ大統領は、「もし共和党が来る中間選挙で敗れれば、民主党は私を再び弾劾するために動くであろう」と発言し、中間選挙での敗北と、それに続く民主党による弾劾の可能性を指摘しました。これまでに二度弾劾手続きを起こされたトランプ大統領ですが、支持率低迷が続く中、来る中間選挙での「清算」の到来にリスクを感じ始めたのでしょう。いずれにせよ注目の審判の日まで、あとわずか9カ月です。

執筆者

前田 健二(まえだ・けんじ)

上席執行役員
シニアマーケティングコンサルタント(北米統括)

大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップ、経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。事業再生、新規事業立上げ、アメリカ市場開拓などを中心に指導を行っている。アメリカ在住通算七年で、現在も現地の最新情報を取得し、各種メディアなどで発信している。米国でベストセラーとなった名著『インバウンドマーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。

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