【最新情報】アメリカのコロナパンデミックの状況

2020.12.02

パンデミックの第三波に襲われているアメリカ

アメリカで新型コロナウィルスのパンデミックが収まりません。本記事執筆時点でのアメリカの新型コロナウィルスの感染者数は1391万9870人、累計死亡者数は27万4332人に達しています。アメリカ国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は、アメリカの現在の立ち位置について、「極めて不安定な時期に間違った方向へ進んでいる」と発言し、パンデミックのさらなる拡大を警告しています。

今年の感謝祭を迎える前、米国疾病管理予防センター(CDC)は国民に感謝祭シーズンの移動を控えるよう警告していましたが、今年も5千万人以上が車や飛行機などで各地を移動しました。ファウチ所長は、大量の人の移動によるウィルスの拡散は確実で、これからクリスマスに向けて感染者の「激増を超える激増」が発生するだろうと予想しています。

医療資源が逼迫する地域も

新型コロナウィルスの感染者は全米で増加していますが、とりわけニューヨーク州やカリフォルニア州などの人口が多い地域での感染者の増加が深刻です。ニューヨーク州では医療従事者が不足し、州政府が引退した医師や看護師に現場へ復帰する要請を出し始めています。また、ICU(集中治療室)などが不足し、教会やホテルなどを臨時の病院にして対応せざるを得ない状況になっています。

カリフォルニア州も状況は深刻です。感染者が激増しているロサンゼルス郡を中心に病床が不足し始め、現在のペースで患者が増加するとクリスマスまでにコロナ感染者で全病院のキャパシティの112%を占めるに至ると予想されています。カリフォルニア州の各地では、コロナ感染者以外の患者が病院で普通に受診することが困難になりつつあります。

また、全米の病院で医療スタッフの不足が深刻化し、医療サービスの提供に悪影響を与え始めています。アメリカの公共放送NPRは、特にネブラスカ州、バージニア州、ミズーリ州の病院で医療スタッフが不足し、早ければ来週にも正常な医療サービスの提供が困難になると報じています。

カリフォルニア州では夜間外出禁止令も

感染拡大に対するため、カリフォルニア州では11月21日土曜日22時より12月21日土曜日午前5時まで夜間外出禁止令が出されています。また、同期間中の飲食店の営業も禁止されています。期間中、カリフォルニアへの出張や旅行を計画している人は飲食店での飲食はできなくなるので注意が必要です。

また、夜間外出禁止令に加え、カリフォルニア州内の41の郡では自宅待機令が出されており、不要不急の外出が禁じられています。対象地区では、同期間中通常の事業活動が大きく制限されるので注意が必要です。

ワクチンの供給が間もなく開始

一方、アメリカの製薬企業ファイザーとモデルナが先月、FDA(米国食品医薬品局)に新型コロナウィルスのワクチンの緊急使用許可を申請しています。FDAは現在、第三者委員会でワクチンの有効性や安全性を議論しており、早ければ今月中に緊急使用を認めると見込まれています。ワクチンは連邦政府を通じて全米各州へ配布される予定ですが、各州はすでにワクチン接種の優先順位を定め始めています。

多くの州でワクチンは医療現場の従事者から最初に接種され、次に基礎疾患を抱える高齢者に接種されると見込まれています。比較的リスクが低いとされる若年者などへの接種までには相応の時間がかかると予想されています。ワクチンの配布が始まってから当分の間は、健康な壮年層がワクチンの接種を受けることは難しいでしょう。

ピークはクリスマスから来年春にかけてか

いずれにせよ、アメリカにおける新型コロナウィルスのパンデミックは、今年のクリスマスから来年春にかけて最大のピークを迎えると予想されています。アメリカでは現在、一日あたり10万人を超える感染者が新たに出てきており、その勢いは未だに衰えていません。現在、アメリカでは入国制限などは特に行われていませんが、現時点でアメリカの各地へ旅行することは大きな健康上のリスクがあります。

また、特に人口が多い地域へ旅行する場合、仮に新型コロナウィルス感染症を発症しても病院などでの受診が困難になる可能性もあります。現在アメリカへの旅行や出張を検討している方は、新型コロナウィルスのパンデミックがある程度収束するまで、出発を延期されることをお勧めします。

執筆者 前田 健二(まえだ・けんじ)

上席執行役員、北米担当コンサルタント

大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップ、経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。事業再生、新規事業立上げ、アメリカ市場開拓などを中心に指導を行っている。アメリカ在住通算七年で、現在も現地の最新情報を取得し、各種メディアなどで発信している。米国でベストセラーとなった名著『インバウンドマーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。

連絡先:k-maeda@j-seeds.jp

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