ヨーロッパのクリスマス

11月も下旬に入り、ヨーロッパではクリスマスの足音も聞こえてきました。日本においてもクリスマスは大きなイベントの一つですが、多くのヨーロッパ人にとってはクリスマスは日本の正月に当たります。ヨーロッパの取引先担当者がクリスマス前からさっさと休みにはいってしまい、ヨーロッパ関連のビジネスが大きく滞る時期でもあります。今回はクリスマスという切り口でヨーロッパビジネスにおける留意点をお伝えできればと思います。

12月に入ったらすべてのビジネスが止まる

12月に入るとビジネスのスピードがガクンと落ちるヨーロッパ企業は少なくありません。極端な言い方をすると、12月はないと思ってもらった方がいいでしょう。この理由としては、12月というクリスマスシーズンに合わせて長く休みを取る方が多いためです。また、ドイツなどの国では従業員に年休を使い切らせることが雇用者に義務付けられており、休みが余った従業員たちが12月に長めの休みを取ることが少なくありません。そのため、12月に入ってしばらくしてから取引先にメールを送ったところ、「休暇中のため1月2日に出社します」という自動メールを受け取られることもあろうかと思います。よほど日系企業に慣れている方々は別にして、取引先に丁寧に「いつから休みです」と申告する方は多くはなく、同僚に引き継ぎをしないということもよく起こります。したがって、年内にケリをつけたい案件については10月頃から計画的に準備をされることをお勧めします。今年に関してはもう既に手遅れかもしれませんが。

多くのキリスト教徒にとってクリスマスは日本の正月のようなもの。

多くのキリスト教徒にとってクリスマスは日本の正月のようなもの。

12月25日がクリスマスではないことも

キリスト教徒にとってクリスマスは家族で祝う特別な日です。クリスマスといえば12月25日ですが、すべてのキリスト教とにとってこの日が重要というわけではありません。プロテスタント、カトリックの方々にとっては12月25日が重要ですが、ロシアなどの旧ソ連圏や旧ユーゴスラビアなどの東ヨーロッパなどで主流の正教会においては、1月7日をクリスマスとしてお祝いをします。したがって、当地のカレンダーをよく確認する必要があるでしょう。現地の日本国大使館の営業日なども参考になりますが、さまざまな宗派が混在する地域もありますので取引先の担当者に確認する方が安全です。

新型コロナウイルスの影響、クリスマス商戦の早期化

現在でも世界中で流行している新型コロナウイルスもクリスマスに大きな影響を与えています。私の肌感覚ですが、コロナ禍前のヨーロッパでは10月末のハロウィーンが終わった後に、クリスマスモードに入るところが多かったように感じます。しかしヨーロッパの多くの国では、昨年の11月頃から翌年の春頃までロックダウンに入り、小売店でクリスマスデコレーションやギフト商品の対面販売が難しい状況に陥りました。そのため、今年は10月に入ったらすぐにサンタやトナカイの置物が店頭に並び始めています。それらを取り扱う小売業者に話を聞いたところ、新型コロナウイルスの影響でこれまでより2ヶ月ほど前倒しで翌年のクリスマス商戦の準備や検討を行っているようです。特に大きな市場を抱えるドイツやイギリスなどでこの傾向が強いように感じます。これらの商品を取り扱う企業様におかれましては、今年のクリスマス前に来年の商談を進めるようにすることをお勧めします。

ミュンヘンのクリスマスマーケット。今年も新型コロナウイルス流行の影響で中止が決定した。

ミュンヘンのクリスマスマーケット。今年も新型コロナウイルス流行の影響で中止が決定した。

どの国でもいつの時代も12月と年末年始は鬼門となる

新型コロナウイルスの流行という特殊な事情の有無はさておき、一般的に12月はビジネスを行う上で難しい月です。日本においてもクリスマス直後からお休みに入られ、始業が1月4日以降の方がほとんどかと思います。反面、プロテスタント・カトリックが大多数を占める西ヨーロッパやアメリカなどではクリスマス前から休みに入り、1月2日から出勤される方が多いです。したがって12月から年末年始はとてもコミュニケーションが取りづらい月です。
これ以外においても宗教に関係する祝日は国や地域ごとに大きく異なっており、南アジアやイスラム圏においても宗教上のお祭りなどで長く休みをとられる期間が発生します。イースターや春節、ラマダンのように移動休日も少なくありません。ヨーロッパに限らずお仕事をされている方々の国のカレンダーを確認し、計画をもってビジネスを進めていただければと思います。

ジェイシーズではヨーロッパの現地担当者とともに、新型コロナウイルス流行下においても皆様のヨーロッパでのビジネスをサポートしております。お気軽にお問い合わせください。

執筆者 浜田真梨子(はまだ・まりこ)

執行役員 シニアマーケティングコンサルタント(欧州)
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