【最新情報】コロナによるアメリカ入国制限について
撤回された14日間の自主隔離規制
日本を含むコロナウィルス感染国からのアメリカ入国者に課せられていた14日間の自主隔離規制が、9月頃に撤回されたようです。CNNの報道によると、アメリカ疾病管理予防センターは、海外からの帰国者および入国者に求めていた14日間の自主隔離期間に関するガイドラインを更新し、事実上撤回しました。これにより、日本からアメリカへの入国者は、コロナウィルス感染拡大前と同じように通常通りにアメリカに入国できることになりました。
実際に、筆者の大学生の娘も、先日11月8日に成田空港からバンクーバー経由でシアトルへ到着し、特に問題なく普通に入国できています。ただし、これも新型コロナウィルスの感染拡大前と同様、アメリカ入国前のESTA登録は必要です。
日本帰国時の自主隔離は必要
一方、アメリカから日本へ帰国する際のPCR検査の実施と、帰国日から14日間の自主隔離の実施は依然求められています。PCR検査の結果は、自宅、ホテル、入国審査施設内の指定場所のいずれかで受けることになりますが、自宅へ戻る場合やホテルへ移動する場合には、鉄道、バス、タクシーなどの公共交通機関の利用はできません。なお、羽田空港と成田空港では、新型コロナウィルス感染対策を施した一部のハイヤーが利用可能となっています。
アメリカでは依然感染拡大が続く
一方、現時点のアメリカでは依然として新型コロナウィルスの感染拡大が続いています。本記事執筆時点のアメリカの新型コロナウィルス感染者数1136万7214人、死者数25万1901人となっています。全米50州の48州で過去最大の1日あたり新規感染者が発生し、本格的な冬を迎える今後感染者がさらに増加すると見込まれています。
感染者は人口が多いテキサス州(109万4356人)、カリフォルニア州(103万3687人)、フロリダ州(88万5201人)、ニューヨーク州(59万7394人)、イリノイ州(57万3616人)などで特に増えてきており、医療システムの崩壊の危険性が高まっています。アメリカは新型コロナウィルスの感染拡大の収束の兆しすら見えておらず、現時点でのアメリカへの渡航は、特に感染者が増加している地域への渡航は、健康上の大きなリスクを伴います。個人的には、現時点でアメリカに通常通り入国できるものの、アメリカへの渡航は当面控えることをお勧めします。
期待されるワクチン
専門家の多くは、新型コロナウィルスのパンデミックの収束にはワクチンの普及が不可欠としています。先日、アメリカの大手製薬会社のファイザーが、新型コロナウィルスのワクチン開発に成功したという明るいニュースが報道されました。トランプ政権は、早ければ来年1月にも新型コロナウィルスのワクチン3億回分を確保し、国民への接種を開始したいとしています。
ワクチンの有効性などについては未知の部分がありますが、ある程度の有効性が確保できた場合、早ければ来年春ごろから一定の効果が期待できるかも知れません。来年が、新型コロナウィルスのパンデミック収束の始まりの年となりますよう、心から願う次第です。
前田 健二(まえだ・けんじ)
上席執行役員
シニアマーケティングコンサルタント(北米統括)
大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップ、経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立。事業再生、新規事業立上げ、アメリカ市場開拓などを中心に指導を行っている。アメリカ在住通算七年で、現在も現地の最新情報を取得し、各種メディアなどで発信している。米国でベストセラーとなった名著『インバウンドマーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。