ヨーロッパの新型コロナウイルス(COVID-19)の現状

2020.05.20

世界中で新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るっていますが、ヨーロッパではイタリアを皮切りに大規模な流行が起こりました。2020年5月19日現在ヨーロッパ内では180万人以上の感染者(内死者約16.8万人)を記録しています。特に3月中旬以降、各国で外出禁止令の発令や国境閉鎖などの措置が取られており、一部の緩和は進んでいるものの、以前と同様の生活およびビジネス活動の再開には至っていません。本日はヨーロッパの新型コロナウイルス(COVID-19)の状況についてお伝えしたいと思います。なお記載情報は2020年5月19日時点の情報となりますので、最新情報は各国政府機関などが公表している情報をご確認ください。

ヨーロッパの新型コロナウイルス(COVID-19)

ヨーロッパは人口7億5,000万人以上を抱えており、一言で表すことはできません。ただし今回の新型コロナウイルス(COVID-19)の流行についてはスウェーデンを除き各国で自粛、外出禁止令の発令、国境閉鎖などの処置が取られています。特にヨーロッパにおける新型コロナウイルス(COVID-19)の発生源はイタリア北部であったため、イタリア、フランス、スペインといった南欧諸国では国内での移動制限や外出時の身分証明書保持が求められるなど罰則付きのかなり厳しい措置が取られていました。
ヨーロッパの大国であるドイツやイギリスは初期の段階では新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が少なかったこともそうですが、欧州域外の他国との往来が多いこともあり本格的な規制に入ったのは少し遅い方でした。
ただドイツなどの西欧諸国と比較して医療水準が質・量ともに劣る東欧諸国の方が3月中旬にいち早く国境閉鎖を決めるなど、より強い警戒姿勢が見られました。
ほとんどの国において一般企業においても止むを得ない職種を除いては在宅勤務となり、営業が行えない企業については国や自治体が補償金を拠出して休業措置をとることになりました。従業員の一時的な解雇措置をとる企業も少なくありません。

新型コロナウイルス(COVID-19)に関する情報提供を行う在イタリア日本国大使館のホームページ

新型コロナウイルス(COVID-19)に関する情報提供を行う在イタリア日本国大使館のホームページ

ヨーロッパ各国の現状(2020年5月19日時点)

1ヶ月以上に及ぶ各国の自粛、外出禁止令の成果もあり各国では緩和施策が始まったところです。ドイツでは多くの州において5月4日より段階的に学校や役所業務を再開し、5月11日以降はスーパーマーケット以外の一般商店の再開、そして15日以降はレストランなどが再開しています。しかし公共の場において最低1.5メートルの距離を確保することや、公共交通機関を含む公共の場でのマスク着用義務など人々の行動には厳しい制限がつけられています。企業も原則在宅勤務を推奨されており、見本市・展示会などのイベントについては8月31日まですべて中止となっています。フランスはドイツの1週間遅れの5月11日より同様の動きが見られます。イギリスはさらに遅れており一部の経済活動が5月11日より再開していますが、学校再開は6月以降になると見られています。

ただ各国ともに国境閉鎖解除には楽観視しておらず、依然として厳しい国境管理を行っています。この措置は少なくとも6月15日までは続く予定であり、6月10日以降に今後の対応について各国で協議して決まるものと見られています。本措置は5月15日までの予定でしたが最近延長が決まったものです。特に東欧諸国は5月初旬に当初5月15日までであった国境閉鎖の延長を早々に表明するなど、極めて慎重な姿勢が見られます。また現在各国ともに原則として自国民、EU/EEA/UK国民、およびそれらの国への長期滞在許可を有する人を除いて入国は認めていません。たとえば日本からヨーロッパへ出張や新規赴任のために渡航することはできません。

今後の予測

ヨーロッパにおいては自粛や外出禁止令などの緩和政策が始まりましたが、楽観的な新型コロナウイルス(COVID-19)の封じ込めに成功したということよりも、経済活動を行わなければ国や企業が破綻するからいたしかたなく、ということが透けて見えます。日本も徐々に自粛解除に動き始めていますが、ヨーロッパも日本もその背景は同じです。企業に関しては極力在宅勤務が推奨され、見本市・展示会のような大規模な集まりについてはドイツの例にあるとおり当面見送りとなるでしょう。

また国境閉鎖の解除についてもまずはヨーロッパの大陸域内から段階的に解除していく形になるため、ヨーロッパ域外の日本からについては当面入国は難しいと考えた方がよいでしょう。現地点での日本との直行便が発着しているのは、ロンドン、パリ、フランクフルト、アムステルダムといった一部の西欧諸国のハブ空港からとなっています。特にイタリアやスペインからは、ヨーロッパ内の他国への航空便でさえも大幅に減っています。仮に現地から日本に出国する場合、むしろそれらの国の都市から乗継空港のロンドンやフランクフルトへたどり着く方が苦労するという話もあります。ただし多くの航空会社において、日本〜欧州路線は7月以降に徐々に復活させる方向で調整に入っているという情報もあります。したがって、各国政府機関などの信頼できる情報を収集しながら、スケジュールには十分な余裕を持ったうえでビジネスを進めていただければと思います。

新型コロナウイルス(COVID-19)下でヨーロッパのビジネスを行っている方や、お困りの方はいらっしゃいませんか。ジェイシーズでは現地担当者ともに皆さまのご相談に応じますので、お気軽にお問い合わせください。

執筆者 浜田真梨子(はまだ・まりこ)

執行役員 シニアマーケティングコンサルタント(欧州)